個人レベルでの意思を求められる、というのが決定的。
「グローバル・マインド 超一流の思考原理」
藤井清孝氏
マッキンゼー、ハーバード、ファーストボストン、ケイデンス、SAP、ルイヴィトンという経歴の藤井氏による著作。
外資の日本法人社長を歴任してきたことと、ご自身の就業体験をもとに書かれた自伝的、日本に対する提言。
印象に残った箇所は、
日本企業は、割り切りとこだわりがはっきりしない、という点。
このことがどういう影響を与えるかというと、
同じ業種であれば、かなりの部分共通した業務もあるわけだけれども、
自前主義の強い日本企業では、個々に仕組みを作り上げ、ITによる標準化が進んでいないし、
実際にM&Aの際に共通化されていないので、多額のコストがかかるという弊害。
商品先物業界に照らしてみると、
5−6万人程度の小規模市場にいまだ40社程度が割拠しており、
淘汰が進んでいるとはいえ、まだまだ多すぎる状況。
取引所の数も依然として4つだ。
取引所数だけみれば、証券と変わらないではないか。
しかも、取引所システムの標準化はようやく議論のテーブルに載った程度でお先は暗い。
こういった事柄は個々の企業に任せるといった市場原理で解決できるものではなく、
国家や業界が総力を挙げて、力を結集してこそ結果が出る。
米国のアポロ計画を引き合いに出していたが、まさにそのとおり。
総体としての利益を最大化するためには、全体を取り仕切る組織としての企画力と実行力が必要。
また、個人レベルにおいて意思決定やその表現が求めらることがハーバードで感じたこととのこと。
明確な正解がないような問いに対しては、
とにかく正解への呪縛から、沈黙しがちであるし、
周囲の雰囲気も、わからないものが口を出すな、という感じになりがち。
しかし、意見を出すこと自体が評価される風土が少なくとも米国にはある。
結果として間違う場合もあるだろうが、そのことに対して意見が出ることで
とにかく議論を進み、解決に向けて一歩先に行くことは確か。
文化的なレベルからくるであろう現象であるので、すぐに変化することはないが、
小中学校の教育や、普段の生活レベルから起こるべく事象であることなど、
著書の中では触れられている。
まずはできるところから。